2025年4月24日
今回、当院で呼気NO(FeNO)濃度測定器のNO breath V2を導入しました。
この機械を用いることで”見えない喘息の炎症”をその場でチェック出来るようになります。
1.FeNOとは?
「FeNO(エフ・イー・エヌ・オー)」は 呼気中の一酸化窒素 を測る検査です。
喘息患者さんの気道では炎症が起きると NO が多く作られるため、吐いた息に含まれる NO の濃度を調べるだけで 気道の炎症レベル がわかります。
2.こんな方におすすめ
- 長引く痰・息苦しさがあるけれど、レントゲンなどでは原因がはっきりしない。
- 夜間や早朝に咳が出やすい、花粉症やアレルギー体質がある。
- すでに喘息で治療中だが、「薬が効いているか」「量を減らせるか」を客観的に知りたい。
3.FeNO測定でわかること
FeNO値 | 炎症レベルの目安 | 治療へのヒント |
---|---|---|
25ppb 未満 | 炎症は低め | ステロイドの効果は小さい可能性 |
25〜50ppb | 中等度 | 状況をみながら治療を調整 |
50ppb 以上 | 強い炎症 | 吸入ステロイドの開始・増量 を積極的に検討 |
※値は成人の基準です。小児はおおよそ −5ppb で判定します。
4.実際の検査の流れ
ステップ | 内容 | 患者さんが行うこと |
---|---|---|
① 準備 | 使い捨てマウスピースを装着 | |
② 深呼吸 | 「ピッ」という合図まで口を離したまま大きく吸う | 大きく深呼吸 |
③ 呼気 | 合図と同時にマウスピースをくわえ、一定の速さで吐く | 画面のアニメを参考にゆっくり吐き続ける |
④ 判定 | 10〜12 秒後に結果が表示 | 数値を一緒に確認しましょう |
5.検査を受ける際の注意点
以下のことにご注意ください
・検査前30分は激しい運動を避けてください
・検査直前の喫煙はお控えください(喫煙者は結果が高く出ることがあります)
・検査前1時間は食事やカフェイン摂取を控えることが望ましいです
・現在使用中のお薬(特に吸入ステロイド)は、医師の指示がない限り通常通り使用してください
検査のメリット
・痛みがなく、短時間で終わる簡便な検査です
・繰り返し測定することで、治療効果の判定や薬の調整に役立ちます
・自覚症状がなくても気道の炎症を早期に発見できます
当院では保険適用で検査を受けることができます(3割負担で約800円)。気になる症状がある方、喘息の治療中の方は、ぜひ医師にご相談ください。定期的に測定することで、あなたの喘息コントロールの改善にお役立てください。