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早期パーキンソン病患者に対する定期的な運動習慣の効果
 

Home > 院長ブログ > 早期パーキンソン病患者に対する定期的な運動習慣の効果

2022年4月24日

パーキンソン病の方から「運動はやった方がいいですか?」「運動するとしたらどのくらいしたらいいですか?」とよく聞かれます。

パーキンソン病診療ガイドライン2018では「薬物療法や手術療法とともに運動療法を行うことで運動症状の改善が得られ、有用である」とされます。最近では薬物治療だけでなく、運動療法の有効性が強調されることが増えてきました。


今回は、日本の月田先生達のグループからの報告を紹介します。

早期のパーキンソン病患者237名を対象。質問紙表などを用いて日常生活における身体活動の程度および普段の運動強度を確認しました。そして、定期的な身体活動・運動と臨床症状の進行に及ぼす影響を検討しました。


観察期間は5年間(中央値)で、中程度から強い強度の運動を定期的に行っている場合、姿勢障害や歩行障害の進行が遅くなるということでした。

今回、用いられた質問指標はPASE(Physical Activity Scale for the Elderly)というもので、


中等度の運動:ダブルステニス、社交ダンス、狩猟、アイススケート、カートなしのゴルフ、ソフトボールなど


強度の運動:ジョギング、水泳、サイクリング、シングルステニス、エアロビックダンス、スキー(ダウンヒルまたはクロスカントリー)、その他同様の活動など、激しいスポーツやレクリエーション活動


と定義されます。


運動療法としては軽いものではなく、そこそこの強度ものを行った方がよいということで、現実的にはテニスやゴルフ(カートなしというのは大変ですが)、ジョギングでしょうか。社交ダンスは過去に効果を検討した論文もありました(Hashimoto H et al. Complement Ther Med 2015: 23; 210-9.)。
このほか、運動療法に関する報告は多数ありますので折をみて紹介したいと思います。


<参考文献>

Tsukita K et al. Long-term Effect of Regular Physical Activity and Exercise Habits in Patients With Early Parkinson Disease. Neurology. 2022; 98: e859-e871.

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